「こういう動作をさせたい」「この周波数帯で信号処理をしたい」「まだ世の中にないRF機器を形にしたい」など、思い描いているアイディアを実装可能なアーキテクチャへと具体化していきます。
アンテナからIF(あるいはベースバンド)に至る信号経路を“RFチェーン"として一体で捉え、ノイズ・利得・周波数変換・局発・整合・安定度を整理しながら、最終的に動作するハードウェアへと導きます。
RFフロントエンドのアーキテクチャ設計
要求仕様を技術要件へ落とし込み、最適なフロントエンド構成を設計します。

- ノイズフローの整理
- ゲイン配分とダイナミックレンジ設計
- LO/IFレベル設計
- イメージ·スプリアス対策
- フィルタ構成の検討
- IF帯域と処理方式の選定
これらを踏まえ信号経路を合理的に構築します。
回路検討·シミュレーション
回路単体ではなく、前後段との相互作用を含めた“チェーンとしての最適化”を行います。

- 入出力整合とSパラメータ
- ノイズ性能と安定度
- 非線形特性(歪み·飽和)
- ミキサの変換効率とLO分離
- スプリアスの発生ポイント
- PLLの位相雑音とループ帯域
- VCOの特性と周波数安定性
必要に応じてレイアウト抽出を含む実機に近いモデルで解析を行います。
基板設計·実装
RF性能は基板構造に大きく依存するため、回路とレイアウトを一体で最適化します。

- 伝送路のインピーダンスと損失
- ビアやPADの配置
- GND最適な取り方
- 送受、電源、制御系などとのアイソレーション
- ミリ波帯での微細寸法管理
- SMT実装の最適化
測定しやすく、再現性の高い状態を確保することを重視しています。
実測·デバッグ
評価フェーズでは、シミュレーションとの整合性を確認しながら実測データを基に設計を仕上げていきます。RF測定は“知識がなければ正確な結果が得られない”領域であり、計測技術そのものが設計品質を左右する重要な工程です。

- ネットワークアナライザ(Sパラ·利得)
- スペクトラムアナライザ(RF特性·スプリアス·NF)
- シグナルソースアナライザ(PLLの位相雑音)
- 伝送路上のどの位置で不整合が発生しているかを特定する解析
- ノイズ·歪み·感度·帯域の確認
予期せぬ問題(発振、整合不良、スプリアス、位相雑音など)の問題は実測→修正→再評価のプロセスで確実に収束させます。
ケース(筐体)設計
RF回路はケース設計によって性能が大きく変わるため、機構設計と電気特性を両立させる設計を行います。

- シールド構造の最適化(漏洩·結合)
- 放熱設計(PA・PLLなど発熱源の管理)
- ケースと基板の距離·固定方法による寄生成分の抑制
- アンテナ周辺のクリアランス設計
- コネクタ配置・ケーブル引き回しの最適化
- 評価治具・量産ケースの両立設計
筐体・基板・回路の三位一体でRF性能を成立させることを重視しています。